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大学院修士課程修了

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2014年3月 修士課程修了。

大学を卒業して17年。大学2年生の時に出会ったテーマを具現化し表現し続けて19年の月日が流れてしまっている、卒業当初は現代美術作家としてインスタレーションなどを表現手法として発表していたが、いったんその現場から離れ、同じテーマを表現し浸透させるために発表するフィールドを変更した、表現手段を絞りプロジェクトという位置づけで絆屋/絆匠という屋号を考え動き始めたのがミレニアムの年。そして、いつのまにか10年以上が経過し、多くの作品を紡いできた。ふと周囲を見回すと表面的に類似する表現が増えてきている。芸術家としてひとりぼっちの海原に漕ぎだしていたはずが、その表現手段が一つの「市場(しじょう)」という形成がなされてきているのを感じる。ビジネス用語的にいう「ブルーオーシャン」であったのであろう。しかし、なにかその「市場」として広がるモノに空虚感を感じ続けてきている。

価値観の固定概念を崩すことを浸透させる為に、あえて屋号を冠にし、芸術表現というハードルを下げる意図はあった。作家として、感情の奥深くに眠る「表現」を具現化することが大切であると感じている。しかし、次々増えてくる類似手段の表現をみていると表層的な物としての商品を提供しているように感じている。価値観や固定概念が崩れ始めているので「市場」が生まれ形成されつつあるのは理解できる。しかし「何かが違う!!」という感覚が強くなってくる。天の邪鬼な性格の所為なのか「市場」が認知されればされる程、危機感が湧いてくる。それと平行して、私自身が求めている、表現の手段、方法などの深層を追求したい思いが強くなり日々の制作をしながら研究もしてしまう。

しかし、具体的に研究成果をまとめるわけでもなかったが、もう一度じっくりと大学院で研究したいとの思いにも駆られたが、それも時間が許すはずもなく悶々としていた時に通信制大学院が目に入り、気がつけば飛び込んでいた。

14年間の絆屋/絆匠として活動してきている作品制作群、考えの軌跡をなんとか満期の4年をかけて稚拙ではあるが集約し、ようやく修了することができた、まだまだ探く研究しなければならないが、歩むべき道の方向性の指針をつかんだ感触はある。

「ブルーオーシャン」が「市場」として認知され開拓されるのは止められないが、「美しく青い海」を守るべく、孤軍奮闘してでも作家として研究者として、自身の信じる表現を伝道する芸術家でなければならない事はあらためて認識できた時間であった。

そして、心の表現を具現化する美術家でもあれるよう精進しなければならない。